

ヴィオラ・ダ・ガンバにエンドピン!?
とんでもなく邪道に思われる。
通常はこの古い絵のように、脚の間に挟んで弾くモノなのである。だからこそ、da gamba (脚の)なのである。
通常は膝に挟んで弾くものなのだが、弾いているとだんだん脚が辛くなってくる。脚の長さも影響しているかもしれないが、プロのガンバ奏者でも台の上に載せて弾いている人もいることを私は目撃したことがある。
この有名なフランス18世紀の絵では、ガンバを床に付けているのか挟んでいるのか不明な感じだ。
だが、さらに古い絵画などを探してみると、ヴィオラダガンバを台の上において演奏している図もあるではないか。
■きっかけはチェロのエンドピンを木製にしたこと
きっかけはこうだ。K氏はチェロのエンドピンは、金属製の通常のものをやめて、いい素材の木製にすると、音がキンキンせずに、深い柔らかい音がするようになるという。K氏は本来チェリストなのでチェロのことはよく知っている。それに氏の細工は実に見事で、モノとしての素晴らしさに惚れ惚れしてしまう。彼が作り上げた木製エンドピンを、私のチェロに取り付けてもらった。

エンドピンを木製に変えてもらった私のチェロ。深く柔らかい音になった。
チェロのエンドピンを金属製から木製にK氏に変えてもらったこの時に、私はついこう言った。
「ガンバにもエンドピンあったらなあ」
作れるよ。いやだったら、抜いて外せば元通りだよ。という言葉にさっそく依頼してしまったのである。
約半年後、彼の工房で作り上げたエンドピンが我が家に到着する。
さあ、付けるよ、電動ドリルとかない?とK氏が私に訊ねる。あるけど・・


結構、野蛮な作業をするのだなあ、と感心。私の真空管アンプ制作のときに使用する電動ドリル登場。細心の繊細さと無骨な野蛮さが同居するこの瞬間を、呆然とみていた私だった。