KUROのブログ

黒崎政男〜趣味の備忘録

■モノラルレコード専用装置を構築したので、次々にレコードを聴く 
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クララ・ハスキルのモーツアルトピアノ協奏曲27番 フリッチャイ指揮バイエルン州立オーケストラ (ドイツグラモフォン盤 DGG LPM 18 383)
セルとカサドシスのコロンビア、ステレオ盤がずっと私の好みだったが、あまりの
素晴らしいハスキルの演奏に驚嘆。いろいろ調べてみると、この演奏は、歴史的名盤なのだそうだ。どの分野に行っても、常に自分の知らなかった名盤が存在していることに、いつもびっくりさせられる。
 ハスキルを特に注目するようになったのは、今回、westminster盤のスカルラッティーのソナタ集を聞いてから。
 40年も前にLPレコードを聴いていた頃、ヴァイオリンのワルター・バリリやクラリネットのレオポルド・ウラッハ、若きイエルク・デムスなどを録音していた、古きよきウイーンの香りのするウエストミンスター盤が大好きで、今回、LPレコード復活にあたって、このレーベルを沢山再購入している。そのなかに、初めて入手したハスキルのスカルラッティのあまりのすばらしい演奏、この世の世界ではない、幻想的というか霊界的なといおうか、そんなハスキルの演奏に惚れて、モノラルLP盤を買いあさっていたのである。そしたら、このモーツアルトP協奏曲27番に遭遇した、というわけである。
DGG盤モノラルで、レーベルがtulip型、さらに盤面がalle で始まる最初期盤。このオリジナル盤は特に音が深く充実していてよい。フリッチャイの素晴らしい指揮も伴って、まさに世紀の名演だ。
 
装置は、プレーヤー EMT930st+WE205Fプッシュプル アンプ(自作)+スピーカー タンノイ15インチ monitor silver(モノラル)
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■長年使ってきたWE300ppアンプを改造して、最古の古典的出力管ウエスタン・エレクトリックWE205Dのプッシュプルアンプにする

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このところ、EMT930st というレコードプレーヤを導入し、モノラルレコード専用に
使用しようと考えている。さて、モノラルのパワーアンプはどうしようか。
スピーカーは、Tannoy monitor silver "15 を入れた、EMGのスピーカー
ボックス。WE300Bppアンプ(自作)を使い続けるのも曲がないし、これまで憧れてはいたが入手も困難だし、と諦めていた205Dが手に入ったので、さっそく改造工事に取りかかった。1920年代後半のナス球も素敵な姿態だが、1920年代前半の丸球は、さらにとてつもない魅力的な形だ。

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スピーカーは、もう絶対、モノラルでしか手に入らないだろうと思われる、EMG(英国蓄音機製作会社)が戦後に作った、EMG model DCR 15D speaker (Tannoy 15" Silver) 。1950年代半ばの製品である。これが、ずっと我が家に鎮座している蓄音機EMGinn Expert Siniorの隣にならぶことになった。(このスピーカーは音を壁に反射させて鳴らすので、セッティングは背中を向けた状態でセッティングする)

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改造点は
・フィラメント電圧を5V==>4.5Vに(0.2オーム程度のセメント抵抗をかませる)
・B電圧を60Vほど下げて、205のプレート電圧実質280V。自己バイアスで
カソード電圧25V程度。(これは電源トランス、ゼロ接地に1Kオームの
抵抗を入れて、電圧をドロップ、さらに、)整流管をWE274Bから80に
変えることで、多少の電圧をドロップしている。
・UXソケットを、205などのスモール型が刺さるように改造。
これは困難を極めた。UXソケットを裏返して、従来のUXソケットの上に
ネジ止め。そしてリード線を通してシャーシー内のそれぞれに半田付けする。
WE205やWE101などの最初期管は、4ピンが短くて均等なので、その後の
WE300Bや2A3などとは足が異なるのである。
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一台改造したら、なかなか具合がいいので、モノラルアンプ2台とも205用に改造してしまった。
丸球we205D(新(あたらし)先生が「管球王国」でよく使用されているWEの最古の出力管)(1920年代~1940年ぐらいまで製造)とその新型WE205F(1940年ぐらいから1970年ぐらいまで製造)を片チャンずつ(モノラルアンプの一台づつにDとFとを差している)にして、簡単に205Dと205Fの聞き比べができるようにした。ここまで、タマの入手から
アンプ完成まで一週間弱で夢中で作り上げてしまった。
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205Fの強烈な凝縮力のある音はほんとにすばらしい(私がWesternElectricに対して持っている音のイメージがそのままでる感じ。つまり、スピード感があって、無駄な音はせず、心に浸透してくる力が強い)。
が、丸球205Dもバランスが取れた美しい音がする。どちらが
いいか、モノラルスピーカー(tannoy silver"15)につなぎ替えて(一瞬!で替えられる)ずっと楽しんでやっている。(単純化していえば、205Fはジャズ向き、205Dはクラシック向き、みたいな傾向がある)
超稀少球で、秋葉原の真空管専門店にも数年に一度入るかどうか、みたいな球だが、なんと丸205Dを4本、205Fを4本も入手できて幸せ。30年前に購入していたWE300BとWE274Bといくつかのヨーロッパ管PX4,PX25などを放出し、結局、ブツブツ交換でほぼ出費なしに入手できたのはとても幸い。

 これを両チャンネルで使えば、WE205ppアンプ、ステレオになるので、ステレオ用のスピーカー(タンノイ IIILZ (red))にもつなげる。RCA250シングルアンプとの比較が楽しみである。

 以下はこのアンプの回路図というか概略図。何の変哲もないまったくシンプル極まりない回路。トランスに新素材ファインメットを使っている。特に電源平滑のチョークトランスをファインメットにすると、音がしなやかに有機的なものとなって効果抜群である。
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