
今日、使っているのは、英国のHandMade蓄音機、1930年ぐらいに作られた(だから御年90歳近い)EMGinn社のExpert Senior。ラッパの口径72cmで紙製。ロンドンの電話帳の紙を貼り重ねて作られたと言われている。
さて、蓄音機はサウンドボックスという耳にあたる部分があり、それに針をつけてレコードの溝の振動を拾うのだが、その針の素材が音質に大きな影響を与える。

これが竹針を装着してあるサウンドボックス

さてこの竹針。日光東照宮から出た燻竹から、このEMGinnのサウンドボックスに合わせて作ってもらった竹針。一回レコードを鳴らすと先が摩耗してちゃんと音が拾えなくなるので、一回一回、竹針を削りながら使用する。

だが、今日の針のカットの感触は、実にカリッとしている。部屋の加湿器を炊くのを忘れていたからだ。だが、こんな竹針のときの再生音は、実にしっかりして硬質で鉄針の再生音に近くなる。しかも竹のしなやかさはちゃんと保ちながら、だ。
案の定、今日は実にいい音で蓄音機が鳴ってくれる。うれしくなって何枚も掛けて美音を楽しんだ。

G.エネスコ(violin) プニャーニ作曲ラルゴ・エスプレッシーヴォ(仏コロンビア盤)

パブロ・カザルス(cello) バッハ アリア