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このラファエル=フリューベック・デ・ブルゴス指揮の「スペイン組曲」というレコード(DECCA SXL 6355)1968年は、LPレコードのオーディオ再生の面白さを味わうには最適のレコードである。
Recorded in November 1967 in der Kingsway Hall, London by Kenneth E. Wilkinson / Production: John Mordlen
例によって、ケネス・ウィルキンソンの録音、会場はキングスウェイホールだから、申し分ない。
 このレコードはお茶の水のディスク・ユニオンで1年前に購入して、すぐに私の超マイフェーバリットシングズ(My favorite things)になっているものだ。公開のオーディオサロンなどでもよく掛ける。
 ところでこの1年前に購入したものは、<やや初期盤>であり、ほんとの初期盤ではない。

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このDECCA盤はレーベルのデザインが、年代別に4つのグループに分かれる。ED1~ED4で、この場合は、上段のレーベルが狭いのでED4(narrow band)の時代。そして今回(昨日、e-bayで落札したもの)入手したのは、ED3(wide band)。

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似ているが、上段のバンドが広い。左上がMADE IN ENGLAND となっている、などの特徴がある。これはこのレコードの「初期盤」と見なしていいだろう。そうなると、これまで聞いてきたのは、「やや初期盤」。リリースされたのは、「初期盤」が1968年ぐらい、「やや初期盤」はそれから二三年後、だろうか。


さて、この「初期盤」と「やや初期盤」。音はどのぐらい違うのだろうか。


◆まず「やや初期盤」の方から再生してみる

聞き馴染んだ音の出方である。
プレーヤーはいつものように、LINN LP12 カートリッジがLINN KANDID、urika2を通して、LINN Klimax DSMにEXAKTリンクで入力する。urika2はカートリッジが拾った微少電流を、早い段階でデジタル化してRIAA補正を行う。アナログの最先端なのに(なので)デジタル信号出力なのである。
このLINN LP12(+urika2)という存在は、アナログ=対=デジタル、というような二項対立を超えてしまっている。
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URIKAからURIKA2に変更する場合には、多少勇気がいった。URKIAなら出力が600オームのライン出力で汎用性があるが、URIKA2となると出力はデジタル信号、EXAKTリンクとなる。するとLINN Klimax DSM(など)の装置が必須となるからだ。
比較して、すぐにurika2への更新を決意したが、それもこれも、LPレコードの初期盤がより魅力的な音で鳴ること、の一点につきる。
話しがよこにそれてしまったが、さて、ED3初期盤のほうはどのようになるのだろうか。聞いてみた。

◆次に「初期盤」を再生してみよう。




もちろん、ここには大困難がある。オーディオ装置で再生した音を、再び録音装置を使って収録しそれをなんらかの再生装置で聴く。そういう意味では、オーディオも<その時その場で>聞かなければ本当には分からない、はずだ。
しかし、それを承知の上で述べるならば、やはり「初期盤」のほうが自然で素直な音がしているように感じられる。弦のtuttiの歪み感(0:30, 0:58あたり)がより少ない。初期盤はtuttiになった時にも混濁しない。金管の音(01:16あたり)も素直で自然であり、「やや初期盤」は金管がやや派手になりすぎてうるさい。01:45あたりのベルの音は初期盤になると、さらに透明でクリアになり、なんとも<気持ちいい!!>のである。

「こんな微少な差異を見いだしてどうするんだ!?比較しなければ分からないじゃないか。もう初期盤、初期盤というのはやめよう。。」
自分のなかでもこのような言葉がなり響く。しかしながら、空間性が潰れていなくて深々とクリアに響きわたる初期盤の音楽を聞いてしまうと、やはりどうしようもなくなる。
初期盤フリーク。もう泥沼である。いや、まだ泥沼に一歩足を踏み入れた程度なのかもしれない。



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デ・ブルゴス指揮の「スペイン組曲」 「初期盤」(右)と「やや初期盤」(左)