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友人がインスタにモーツアルト「レクイエム」でこのCDを挙げていた。気鋭のロシアの指揮者クルレンティスの演奏はきわめて鮮烈らしい。けど、私が反応してしまったのはこのジャケットの絵。なんとも魅力的な絵ではないか。ネットで調べてみると、原画はギリシャ正教の12世紀のイコン画。
あまりにジャケットが気に入ったので、LPレコードとしても発売されていたので、絵が大きく見えるLP版を入手した。回転数が33rpmではなくて45rpm。

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回りでみんなが、ちゃんと天国にたどり着けるか、見守っている。これが「レクイエム」のジャケットになるなんて興味深すぎる。天国にたどり着けない死者もいるよ、っていうことなのかもしれない。指揮者のクルレンツィスはギリシャ出身だから、もしかしたらもともとギリシャ正教のイコンにはなじみがあるのかもしれない。
なんとも新鮮で鮮烈で土俗的なモーツアルトだろう。ワルターのレクイエムを聞き慣れた耳には、おそろしく強烈に響く。

 

再生装置は、LP12 +Klimax DSM + EXZAKT Akudorik
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ところで、この「天国への階段」の絵を眺めていて、ふっと思い出したのが、二年前ぐらいにオークションで落札していた掛け軸。

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なんだか分からないけど面白い絵柄だなあ、と思ってオークションで落札した掛け軸だが調べてみると二河白道図、という伝統的な仏画らしい。浄土教における極楽浄土を願う信心の比喩らしく、手前の岸は現世。上段の岸は来世で、南は火の赤い河、北は渦巻く水の河。うまく渡りきれるか。。

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賊徒や猛獣たちが現世から、追いかけているのやら応援しているのやら。

洋の東西、同じような発想をするものだ、と考えるか、あるいは、東西の文化交流のなかでどちらかが影響を受けたものなのか。ちょっと面白いテーマである。